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成長期・思春期・骨端線読む時間 約7分
男性ホルモン(テストステロン)は身長を止める?男の子の思春期と骨端線
公開日:2026年10月27日 更新日:2026年10月27日
テストステロン(男性ホルモン)は、男の子の思春期の伸びを起こすホルモンです。それ自体が身長を止めるわけではありません。骨端線を閉じるのは、テストステロンの一部が体の中で変わってできる女性ホルモン(エストロゲン)です。思春期が始まると、「よく伸びる時期」と「終わりへ向かう準備」が同時に進みます。
テストステロンは、身長を止めるのですか?
止めるのではなく、まず伸ばします。思春期になると、脳からの指令で精巣がテストステロンを出し始めます。ひげや声変わりとともに、身長がぐんと伸びる時期が来ます。
日本小児内分泌学会の英文誌に載った解説(総説)によると、骨が伸びる部分の軟骨が増えて育つ働きは、成長ホルモンや甲状腺ホルモンのほか、男性ホルモンや女性ホルモンでも速まります。
一方で、思春期の後半には骨端線(骨の端にある、骨が伸びる部分)が閉じ、伸びは止まります。この「閉じる」ほうの主役は、テストステロンそのものではなく、エストロゲンだと考えられています。
テストステロンが増えると、伸びのアクセルが入り、同時に終わりへ向かう時計も動き出します。「テストステロンが身長を止める」は、この後半だけを切り取った言い方です。
男の子なのに、なぜ女性ホルモンが骨端線を閉じるのですか?
男の子の体の中でも、テストステロンの一部はアロマターゼという酵素でエストロゲンに変わります。複数の研究をまとめた報告(コクランの系統的レビュー)は、男女とも、思春期の終わりに骨端線を閉じるのはエストロゲンだとしています。
根拠の一つが、エストロゲンが働かない、または作れない体質の男性です。こうした男性では骨端線が閉じきらず、大人になっても身長が伸び続けていました(別の解説)。ここから、男女とも骨端線が閉じるにはエストロゲンが欠かせないと分かりました。
そのため男の子の思春期では、テストステロンが増えるにつれてエストロゲンも少しずつ増え、骨の成熟が進みます。
男の子は、思春期のどの時期にいちばん伸びるのですか?
あいち小児保健医療総合センターによると、男の子の思春期は平均11歳半ごろ、精巣が大きくなることから始まります。声変わりは13歳ごろで、思春期に入って1〜2年たってから見られることが多いとされています。
日本人の研究では、男の子の伸びのピークは骨年齢でおよそ13歳ごろでした。体質による思春期の遅れについての解説では、男の子の思春期の伸びは、精巣の大きさが10〜12mLになるころに見られます。
日本大学医学部附属板橋病院の解説では、思春期の間に伸びる身長は、男の子で平均30cmとされています。声変わりのあとの伸び方は、「声変わりのあと身長はどのくらい伸びる?」のコラムで説明しています。
テストステロンは、成長ホルモンとも関係がありますか?
関係があります。性ホルモンは成長ホルモンの出方を高めます。そのため、思春期前後の子で成長ホルモンが足りているかを調べる検査の前に、性ホルモンを少し使って準備することがあります。スウェーデンの研究では、この準備をした子どもで、夜の成長ホルモンの分泌が高かったと報告されています。
思春期に身長がぐんと伸びるのは、性ホルモンと成長ホルモンが一緒に働くためです。先ほどの日本小児内分泌学会の英文誌の解説でも、骨年齢が思春期の年齢にある子では、骨の成長と成熟に性ホルモンが必要だとしています。
テストステロンが早く出すぎると、どうなりますか?
同じ解説によると、男性ホルモンや女性ホルモンが多すぎると、伸びが大きくなると同時に骨年齢も進みます。早い時期に多く出ると、一時的に背が伸びても、骨端線が早く閉じて、伸びる期間が短くなります。
日本大学医学部附属板橋病院の解説は、男の子の思春期早発症の原因に、脳からの指令が早く始まるもののほか、副腎の病気や男性ホルモンの薬の使用も挙げています。9歳より前に精巣などの明らかな発育がみられることは、診断の基準の一つです。
あいち小児保健医療総合センターは、男の子の思春期早発症では、腫瘍がないかを確かめておくことが重要だとしています。小学校の低学年で声変わりやひげ、わき毛が出てきたときは、早めに小児科で相談してください。
男性ホルモンの薬で、背を伸ばせますか?
自己判断で男性ホルモンの薬を使ってはいけません。男性ホルモンは骨の成熟も進めるため、使い方によっては伸びる期間を短くします。
医療の場で男性ホルモンを使うことはあります。体質による思春期の遅れで本人の悩みが強いときは、少量を短い期間使い、思春期のきっかけをつくる方法があります(暦の年齢14歳、骨年齢12歳ごろから)。骨の成熟を進めすぎないよう、量は慎重に決めます。
テストステロンがエストロゲンに変わるのを抑える薬(アロマターゼ阻害薬)を、男の子の身長のために使った研究もあります。先ほどの複数の研究をまとめた報告では、大人の身長まで調べた試験は1件だけで、意味のある差は見られませんでした。思春期前に使った男の子の45%に、背骨の軽い形の異常がみられたことも示されています。身長を伸ばす目的では承認されていない使い方で、詳しくは「アナストロゾールは身長に使われる?」のコラムで説明しています。
テストステロンを測れば、あとどれくらい伸びるか分かりますか?
テストステロンの値だけで、残りの伸びは分かりません。血液検査は、思春期が本当に始まっているか、遅いときの原因はどこかを見分ける手がかりです。テストステロンは午後から夜に下がるため、朝の採血が望ましいとされています。
残りの伸びる期間を考えるのに使うのは、骨年齢と、実際に測った1年あたりの伸びです。日本小児内分泌学会は、骨年齢(日本人のTW2法)が男子16.0歳を超えると骨端線が閉じた状態に当たるとしています。骨年齢が男子15歳以上の閉じかけの時期や、1年の伸びが2cm以下になった時期には、成長ホルモン治療でもほとんど効果がないとしています。
声変わりのあとに身長が気になり始めたなら、残りの期間を早めに確かめましょう。早いほど選べることが多くなります。
ノビケアでは、思春期の男の子の相談もできますか?
できます。ノビケアは自由診療のオンライン外来で、病気ではないけれど身長をもっと伸ばしたい子どもの相談も受けています。
医師による無料相談では、身長の記録、精巣の変化や声変わりの時期、骨年齢の結果(あれば)を見ながら、残りの期間と選択肢を一緒に整理します。骨年齢の検査は近くの医療機関で受けることを勧めていますが、必須ではありません。診察や検査で病気が疑われるときは、医師が専門の小児科へご紹介します。
男性ホルモンと身長についてよくある質問
Q. 声変わりが早い子は、早く止まりますか?
A. 声変わりが早いのは、思春期が早く始まった手がかりです。ただ、大人の身長は思春期の始まった時期だけでは決まりません。早熟と最終身長の関係は「早熟だと最終身長は低くなる?」のコラムで説明しています。
Q. テストステロンが低いと言われたら、背は伸び続けますか?
A. 思春期が始まらないままでは、思春期の伸びも来ません。体質のことも病気のこともあるため、医師と原因を確かめましょう。14歳になっても思春期の体の変化がまったくない場合は、相談の目安です。
Q. 男性ホルモンを抑えれば、背は高くなりますか?
A. 高くなるとは限りません。思春期の進みを抑える治療は思春期早発症などに使うもので、治療しても大人の身長が高くなるとは限らないとされています。
出典 [5]
まとめ
テストステロンは男の子の思春期の伸びを起こすホルモンで、骨端線を閉じる主役は、そこから作られるエストロゲンです。残りの伸びは、骨年齢と1年あたりの伸びで確かめましょう。思春期に入ってからの身長が気になるときは、ノビケアの医師による無料相談で、記録を見ながらご相談いただけます。
出典 [11]
ノビケアの成長ホルモン治療について(自由診療)
ノビケアの成長ホルモン治療は自由診療で、健康保険や医療費助成は使えません。原因となる病気が見つからない低身長への使用は、国内で承認された効能・効果に含まれていない適応外使用です。重い副作用が起きた場合でも、国の医薬品副作用被害救済制度は原則として利用できません。
費用(税込)は、医師による無料相談が0円、医師が必要と判断した場合の郵送検査(指先の血液と尿)が20,000円(送料込み)です。お薬は1本あたり、治療を始める月が40,000円、2か月目以降が60,000円、6か月分一括プランでは50,000円です(注射器・注射針と冷蔵便の送料を含みます)。1か月に使う本数は体重によって変わり、2〜5本が目安です。
注射はご自宅で毎日1回行い、治療は年単位になることが多く、続けるかどうかを定期的に判断します。主な副作用は、注射したところの痛み・赤み・腫れ、関節の痛み、むくみ、頭痛などで、まれに頭の中の圧が高くなる、股関節の骨がずれる、側弯が進む、血糖値が上がる、甲状腺の働きが変わる、といったことがあります。詳しくは「成長ホルモン治療について」のページをご覧ください。ご質問はお問い合わせページから受け付けています。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- 日本大学医学部附属板橋病院「思春期早発症」
- Clinical Pediatric Endocrinology「Bone age: assessment methods and clinical applications」(Satoh M、日本小児内分泌学会英文誌、2015年、PMC全文)
- コクラン「Aromatase inhibitors for short stature in male children and adolescents」(2015年)
- Nature Reviews Endocrinology「Aromatase inhibitors in pediatrics」(2011年、PubMed)
- あいち小児保健医療総合センター「思春期早発症・遅発症「思春期が早い?遅い?治療が必要なの?」」
- Italian Journal of Pediatrics「Current clinical management of constitutional delay of growth and puberty」(Gaudino R ほか、2022年、体質性思春期遅発症の総説、PMC)
- Hormone Research in Paediatrics「Priming Short Children with Sex Steroids prior to Growth Hormone Testing Decreases the Frequency of Divergent Results」(Lennartsson O ほか、2025年、スウェーデンの低身長の子132人、PubMed)
- Journal of Clinical Research in Pediatric Endocrinology「A Current Perspective on Delayed Puberty and Its Management」(Abacı A・Besci Ö、2024年、PMC)
- 日本小児内分泌学会「成長ホルモンとは」
- ノビケア「成長ホルモン治療について」(費用・副作用・適応外使用)
- ノビケア「お問い合わせ」