成長ホルモン治療読む時間 約7分
栄養療法(サプリ治療)と成長ホルモン治療は何が違う?選ぶ前の確認点
公開日:2026年10月27日 更新日:2026年10月27日
栄養療法(サプリ治療)は、足りない栄養を見つけて補う方法です。不足が原因で伸びが落ちていれば、補うことで本来のペースに戻ることがあります。成長ホルモン治療は、注射の薬で骨の伸びる部分に直接働きかけます。日本小児内分泌学会は、栄養が足りている子にサプリを足しても成長が促されるというデータはないとしています。選ぶ前に、「本当に不足があるか」「ほかの原因はないか」を確かめましょう。
「栄養療法」「サプリ治療」とは、どんな方法ですか?
「栄養療法」や「サプリ治療」は、決まった一つの治療法の名前ではありません。中身は医療機関で違いますが、多くは血液検査で鉄・亜鉛・ビタミンDなどを調べ、食事の見直しとサプリメントや薬で補います。
使われるものには、食品として売られているサプリメントと、医師が処方する医薬品の両方があります。消費者庁は、健康食品は食事・運動・休養を補うものだと説明しています。病気を治す医薬品とは違います。
医薬基盤・健康・栄養研究所は、サプリメントは医薬品ほど安全性や有効性が確かめられていないとし、子どもに使うときは慎重にと呼びかけています。「医療機関で出されたから医薬品」とは限らないので、何を飲むのかを最初に確かめましょう。
成長ホルモン治療とは、どんな治療ですか?
成長ホルモンは、脳の下垂体で作られるホルモンです。日本小児内分泌学会によると、成長ホルモンは骨端線(骨の端にある、骨が伸びる部分)の軟骨に働いて、骨を縦に伸ばします。
成長ホルモンはたんぱく質なので、口から飲むと胃で分解されてしまいます。同学会は、注射以外の方法での効果は認められていないとしています。
ノビケアでは、毎日型のソマトロピンBS(ソマトロピンのバイオ後続品)を使い、ご自宅で毎日1回注射します。
栄養療法と成長ホルモン治療は、何が違いますか?
いちばんの違いは、何に働きかけるかです。栄養療法は「足りないものを補って、本来の伸びを取り戻す」考え方です。成長ホルモン治療は「骨が伸びる部分に、薬で直接働きかける」治療です。
日本小児内分泌学会は、栄養の不足で成長がさまたげられている場合は、補えば成長が正常に戻る可能性があるとしています。栄養療法が効くのは、不足があるときです。
主な違いは次のとおりです。
- 目的:栄養療法は不足を補うこと。成長ホルモン治療は骨の伸びを薬で後押しすること
- 向いている子:栄養療法は検査や食事で不足が確かめられた子。成長ホルモン治療は医師が診察と検査をして治療の対象と判断した子
- もの:栄養療法は食品のサプリメントと医薬品が混ざることがある。成長ホルモン治療は注射の医薬品
- 効き目の確かめ方:どちらも、同じ条件で測った身長の伸び方を成長曲線で見ていく
栄養が足りないと、身長はどうなりますか?
日本小児内分泌学会は、主に乳幼児期に起こるビタミンD欠乏症では成長障害が起こり、ビタミンDを補うと成長は正常に戻ると説明しています。はっきりした不足があれば、補う意味があります。
日本臨床栄養学会の診療指針は、子どもでは亜鉛が不足すると身長の伸びが悪くなることがあるとしています。ただし亜鉛を補うのは、症状があり、ほかの病気が否定され、血液中の亜鉛が低い場合です。数か月補っても症状が変わらなければ、亜鉛不足ではないと判断して中止します。
心臓・肝臓・腸などの病気があると、栄養を十分に取り込めずに伸びが落ちることもあります。この場合は、サプリより、もとの病気の治療が先です。日本小児内分泌学会は、もとの病気がよくなれば身長も伸びてくると説明しています。
栄養療法を勧められたら、何を確かめればよいですか?
大切なのは、「何が、どのくらい足りないから、何を、いつまで補うのか」がはっきりしていることです。説明を受けるときに、次の点を聞いてください。
複数の製品を一緒に使うと、知らないうちに同じ成分が重なることがあります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、とりすぎによる健康障害を避けるための量(耐容上限量)が栄養素ごとに示されています。消費者庁も、錠剤やカプセルはとりすぎになりがちで、値段が高いほど効くとは限らないと注意しています。
医薬基盤・健康・栄養研究所は、サプリメントを使う場合も「必要なときに、必要な量だけ」「体調の変化があればすぐやめる」「効果が感じられなければやめる」という姿勢を勧めています。
- どの検査のどの値から、何が不足していると判断したか
- その値は、子どもの基準と比べて低いのか
- 使うものは食品のサプリメントか、医薬品か。成分と1日の量はいくつか
- どのくらいの期間続け、何をもって効果ありと判断するか
- 効果がないときに、やめる目安はいつか
- 身長の伸びが落ちているほかの原因(ホルモンや持病など)は確かめたか
成長ホルモン治療を考えるときは、何を確かめればよいですか?
成長ホルモン治療でも、何に対する治療かを最初に確かめます。病気が見つかって承認された使い方なのか、病気はないが身長を伸ばしたい子への適応外使用なのかで、説明が変わります。
治療は毎日の注射で、年単位になることが多いです。治療中は血糖値や甲状腺の働きを定期的に調べることがあります(患者向けの説明書)。注射を続けられるか、検査や診察をどう受けるかも、始める前に確かめておきましょう。
やめる時期は、骨端線の状態と1年あたりの伸びで判断します。どこまで続ける見通しか、途中で見直すのはどんなときかも、始める前に聞いておきましょう。費用は、1回あたりではなく、続けた場合の総額で考えることをおすすめします。
両方を一緒に行うことはありますか?
あります。成長ホルモンを注射していても、体を作る材料が足りなければ、伸びる力を生かしきれません。日本小児内分泌学会は、身長の伸びには栄養や睡眠、運動などの環境も関わるとしています。治療中も、毎日の食事が土台であることは変わりません。
反対に、成長ホルモン治療で栄養の不足が補えるわけではありません。検査で不足が見つかれば、治療と並行して補うことがあります。
治療中に新しくサプリメントを足したい場合は、自己判断で始めず、治療を担当している医師に相談してください。消費者庁も、自己判断で医薬品と健康食品を一緒に使うことは避けるよう呼びかけています。
どちらを選ぶか迷ったら、何から始めればよいですか?
最初にするのは、方法選びではなく、今の伸び方の確認です。母子手帳や学校の記録を成長曲線に書き込むと、伸びが落ちているのか、同じペースなのかが見えます。
次に、食事や体重の変化、必要なら検査で、栄養の不足や病気がないかを確かめます。不足があれば補い、病気があればその治療をします。それでも身長を伸ばしたいという希望があれば、成長ホルモン治療が選択肢になります。
時間も大切です。日本小児内分泌学会は、骨端線が閉じると成長ホルモンが働いても骨は伸びなくなると説明しています。「まずサプリで様子を見る」期間が長すぎると、ほかの選択肢を考える時間が減ります。
栄養療法と成長ホルモン治療についてよくある質問
Q. 栄養療法の血液検査で「不足」と言われました。それが低身長の原因ですか?
A. そうとは限りません。伸びに響くほどの不足か、ほかに原因がないかを合わせて確かめます。補ったあとに伸び方が変わるかも、記録で見ていきましょう。
Q. サプリを飲んでいる間は、成長ホルモン治療を始められませんか?
A. 飲んでいるものを医師に伝えれば、相談はできます。何を、どれだけ、いつから飲んでいるかが分かるよう、製品名と量をメモしておいてください。
Q. 栄養療法で効果が出なかったら、成長ホルモン治療に切り替えるべきですか?
A. 切り替えるかどうかは、伸び方の記録、骨年齢、本人の気持ちを合わせて考えます。骨端線が閉じる前であれば、成長ホルモン治療を含めて相談できます。
まとめ
栄養療法は足りない栄養を補う方法、成長ホルモン治療は注射の薬で骨の伸びを後押しする治療で、目的が違います。不足がはっきりしていれば補う意味があります。どちらを選ぶか迷ったら、まず伸び方の記録と栄養・病気の確認から始めましょう。治療を含めてどんな道があるかは、ノビケアの医師による無料相談で、お子さまの記録を見ながらご相談いただけます(予約は公式LINEから)。
出典 [10]
ノビケアの成長ホルモン治療について(自由診療)
ノビケアの成長ホルモン治療は自由診療で、健康保険や医療費助成は使えません。原因となる病気が見つからない低身長への使用は、国内で承認された効能・効果に含まれていない適応外使用です。重い副作用が起きた場合でも、国の医薬品副作用被害救済制度は原則として利用できません。
費用(税込)は、医師による無料相談が0円、医師が必要と判断した場合の郵送検査(指先の血液と尿)が20,000円(送料込み)です。お薬は1本あたり、治療を始める月が40,000円、2か月目以降が60,000円、6か月分一括プランでは50,000円です(注射器・注射針と冷蔵便の送料を含みます)。1か月に使う本数は体重によって変わり、2〜5本が目安です。
注射はご自宅で毎日1回行い、治療は年単位になることが多く、続けるかどうかを定期的に判断します。主な副作用は、注射したところの痛み・赤み・腫れ、関節の痛み、むくみ、頭痛などで、まれに頭の中の圧が高くなる、股関節の骨がずれる、側弯が進む、血糖値が上がる、甲状腺の働きが変わる、といったことがあります。詳しくは「成長ホルモン治療について」のページをご覧ください。ご質問はお問い合わせページから受け付けています。
お子さまの身長の伸び方が気になる場合は、医師による無料相談で、これまでの記録を見ながらご相談いただけます。予約は公式LINEからお受けしています。
公式LINEで無料相談を予約するこの記事は、ノビケアの医師が内容を確認しています(編集方針)。
参考にした資料
- 消費者庁「健康食品(一般の方向け)」
- 医薬基盤・健康・栄養研究所「「健康食品」の安全性・有効性情報:【第7回】子どものサプリメント利用の考え方」
- 日本小児内分泌学会「成長ホルモンとは」
- PMDA「患者向医薬品ガイド ソマトロピンBS皮下注「サンド」シュアパル」
- ノビケア「成長ホルモン治療について」(費用・副作用・適応外使用)
- 日本小児内分泌学会「「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解」(2025年9月8日改定)
- 日本臨床栄養学会「亜鉛欠乏症の診療指針2024」(PDF)
- 日本小児内分泌学会「低身長」
- 厚生労働省「「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書」
- ノビケア「お問い合わせ」